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安価な「フルオーダー」の真実


最近、「フルオーダーでこの価格」

という表現を目にすることが増えました。


中には、10万円を切る価格で

フルオーダーを謳っているお店もあります。


一見すると、

とても魅力的に映ります。

フルオーダーと聞くと、

高価で敷居の高いイメージがあるだけに、

「それなら試してみたい」と思うのも

自然なことだと思います。


ただ、ここで一度、

立ち止まって考えてみてほしいのです。






そもそも、フルオーダーとは何なのか。



本来、フルオーダー(Bespoke)とは

次のような工程を含むものを指します。


・着る人の体型を見ながら一から型紙を起こす

・左右差や癖を考慮し、設計を行う

・仮縫い(中縫い)を行い、実際に着用して確認

・修正を重ねたうえで本縫いに進む

・基本的には手縫いで仕上げていく


つまり、人に合わせて設計し、検証し、修正する

という工程が前提にあります。


これは、時間も人手も必要な作業です。




10万円以下で、それは可能なのか。



結論から言えば、

この工程を踏んだフルオーダーを

10万円以下で行うのは、現実的ではありません。


理由は単純です。


・型紙を一から作る時間

・仮縫いの手間

・修正にかかる工数

・職人の人件費


これらを考えると、

その価格帯で成立させるのは

ほぼ不可能です。


では、なぜ「フルオーダー」という言葉が

使われているのでしょうか。




言葉の定義が、曖昧だから。



実は、「フルオーダー」という言葉には、

業界全体で統一された

明確な定義が存在していません。


そのため、


・既存の型紙を使用

・サイズを数値で調整

・修正範囲はあらかじめ決められている


こうした仕組みであっても、

表現として

「フルオーダー」と

名乗ることができてしまいます。


実態としては

パターンオーダーに近くても、

言葉の上では

フルオーダーになっている。


この曖昧さが、

誤解を生みやすい構造になっています。




パターンオーダーは、悪いものなのか。



ここで誤解してほしくないのは、

パターンオーダー自体が悪いわけではない

ということです。


パターンオーダーには、


・価格を抑えられる

・納期が早い

・一定の品質が担保される


といった

明確なメリットがあります。


多くの人にとって、

非常に合理的な選択肢です。


問題なのは、

その実態が正しく説明されないまま、

フルオーダーという言葉だけが

先行してしまうことです。






名前ではなく、中身を見る。



フルオーダーか、

パターンオーダーか。


その名称自体よりも大切なのは、


・ベースパターンの精度

・どこまで修正ができるのか

・仮縫いは行うのか

・縫製仕立て技術の高さ


といった

中身の部分です。


価格が安いこと自体は、

決して悪いことではありません。


ただし、

その価格で

何ができて、何ができないのか。


そこを理解した上で選ぶことが、

後悔しないためには欠かせません。




TENが大切にしていること。



TENでは、

「フルオーダーだから良い」

とも思っていません。


「安いから悪い」

とも考えていません。


大切にしているのは、

あなたにとって、どこまで必要なのか。


そのために、

工程や考え方を

できるだけ分解して説明します。


言葉の響きではなく、

その中身が、

あなたにとって適切かどうか。




フルオーダーを選ぶ前に。



もし「フルオーダー」という言葉に

魅力を感じたときは、


ぜひ一度、その言葉の裏側にある

工程や仕組みに目を向けてみてください。


TENはこれからも、

名称や表現に惑わされることなく、

正々堂々としたサービスを提供してまいります。




 
 
 

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